イエメンコーヒーの95%は、西部山岳地帯で生産されます。
バニー・マタル、バニー・イスマイル、ハラズ、ライマ、ヤーフェなどがあります。
品種はエチオピアと並んでコーヒー発祥の地ともいわれる国らしく、コーヒーの原種ともいえる在来種ですが、大きく分けて四つのタイプに分けられます。
ダワイリ(樹高1〜4メートル、大きく丸いチェリー)
トゥファーイ(樹高2〜6メートル、大きいリンゴ型の チェリー)
ウダイニ(樹高2〜4メートル、小さく丸いチェリー)
ブラーイ(樹高1〜3メートル、小さく楕円形のチェリー)
このうちウダイニがイエメン品種の原型ではないかといわれています。
安定した水源確保が出来ないこともあり、精製は非水洗式のナチュラル製法で、この精製法とコーヒーの原種である在来品種の特徴が相まって、独特の果実味のある香り、いわゆるモカフレーバーが生まれます。
大農園はなく殆どが小農家で、コーヒーの木によって香りも変わります。
イエメンはコーヒーが世界に広がる基軸となった国です。紅海に面するモカ港からヨーロッパに輸出されたのが始まりで、モカの名前の由来でもあります。
モカマタリは歌にもなって有名なコーヒーですが、その定義は曖昧で、今ではイエメン産のコーヒー全体を言うようになってしまっています。正確にはバニー・マタル地方の豆をマタリといいます。